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(英語の記事はこちら)
どうして卵の種類は豊富なのに、
本当に良い卵は一握りしかないんだろう?
スーパーやネットショップ等を見ていると、私はいつも複雑な気持ちになります。
売り場面積が広くて、置いている数も多いのに…
買いたいと思える卵はごく僅かなんです。
毎日食べるものだから価格重視の傾向が強いのだとは思うのですが、
毎日食べるからこそ、それでは問題があるのではないのかと、私は思うのです。
なので、今回は卵について私なりの考えを色々書いてみたいと思います。
なかなか共感していただけない部分もあるかと思いますが、
時間がとれるときにゆっくり一読していただけると幸いです。
飼育環境が見えない卵は普通の卵
卵のパッケージを見て、飼育方法について何も書かれていない卵は、普通の卵です。
普通の卵というのは、一般的に以下のような環境で生まれた卵です。
- 窓が無いウインドウレス鶏舎
- 狭く自由に身動きがとりにくいケージ飼い
- 風通しが悪く、投薬をしないと病気になりやすい環境
日光浴・砂浴び・餌探し・交尾・産卵や就寝場所への移動などといった行動がとれません。
そのため、運動不足で体力や病気に対する抵抗力がつきにくく、ストレスもたまってしまいます。
鶏は本来の行動をとることなく、狭い場所で卵をひたすら産み続けます。
外部環境の影響が少なく、効率良く生産できるメリットはありますが、自然とは程遠いです。
例え価格が安かったとしても、鶏を想うと、私は買う気が起きません。
産地の重要性
「自然豊かな土地で生まれた卵」のイメージがあったとしても、それ以上のことが特に明記されていない普通の卵であれば、それはただ単にその場所に養鶏場があるというだけのことです。
実際にその土地で放し飼いで育った鶏が生んだ卵というわけではありません。
一方、歩き回れる平飼いや放し飼いの場合は、外部環境の良さが重要になります。
空気が綺麗で外敵が少なく、快適に過ごしやすい環境が必要になるため、産地をよく確認した方が良いです。
見た目や特定の栄養強化に惑わされない
見た目
- 白ピンク赤などの色の違い
- 黄身の色の濃さの違い
- 黄身の盛り上がり具合
- 粘度や弾力の違い
- 殻の硬さの違い
- サイズの違い
- 形の違い
などなど。
色々ありますが、見栄えを重視したいときや細かい分量計算等が必要になるとき以外は、そこまで気にしなくても良いのではないかなと個人的には思います。
栄養強化
- 葉酸補強
- ビタミンA補強
- ビタミンE補強
- ビタミンD補強
- α-リノレン酸補強
- タウリン含有
- ルテイン含有
- アスタキサンチン配合
- 中性脂肪を下げる
- 低コレステロール
などなど。
栄養を強化された卵を産む鶏は、本来は食べない餌を多く食べている傾向があり、自然とは少しかけ離れています。
商品としては魅力的に見えますが、
私は特定の飼料を食べさせて目に見える数値を上昇させるよりも、親鶏が健康で、自然に近いかたちで産卵しているかどうかの方が大事なのではないかと思うのです。
それと、どんなときにも言えるのですが、食べ物はバランスです。
栄養を補強された食べ物を数種類食べるよりも、自然な旬の食材を複数バランス良く食べるほうが、体には負担が少なく健康的です。
食べ物はとても複雑で、いくつもの栄養素が絡み合い、一つになっています。
特定の栄養素が体に良いと話題になりやすいですが、そればかりを重視してしまうと逆に体には負担になってしまいます。他の栄養素と一緒にバランス良くとることで、吸収率が上がったり、デメリットが相殺されたり、相乗効果が期待できたりするのです。
栄養機能食品は特定の栄養素が不足している人向けに作られていますが、そんなに簡単に解決できるものではないです。どうしても解決が困難な場合のみに食べる食べ物と考えた方が良いです。
特定の栄養を強化する行為自体、それほど重要ではないと私は思うのです。
ブランド卵の半分以上はイメージ戦略
他の商品と差をつけるために、各生産者はできるかぎりの努力をしています。
- 味の差別化
- 栄養の差別化
- 産地の差別化
- 飼料の差別化
- 鮮度の差別化
- 見た目の差別化
- 大きさの差別化
- エコの差別化
などなど。
先ほど書いた栄養強化で差を付けているのも、ある意味ブランド戦略です。安価にできるところから、商品の差別化は始まります。
小さな違いであっても、消費者の目を引くパッケージや広告などで、独自のイメージを作り上げてブランド化をしています。
しかし、宣伝はすればするほど広告費は高額になるため、実際の商品にかけられるコストは少なくなります。よく見る商品ほど羊頭狗肉になりやすいため、私たち消費者も有名だからといって安易に購入するのではなく、商品の詳細をしっかり確認して買う必要があります。
飼料の安全性は不透明になりやすい
トウモロコシ、大豆粕、米、酢酸、ヨモギ、海藻、クロレラ、牡蠣殻、竹粉、桑の葉、パプリカ、ナラ等の樹液(木酢)、鉱石、マリーゴールド、オリゴ糖、乳酸菌、天然水 などなど。
ざっと調べただけでも、これだけあります。
ただ、
餌の種類までは書いていても、その飼料がどこまで安全や環境に配慮されているかは明記されていなことがほとんどです。
- 農薬を使用して栽培されているのか
- 遺伝子組み換えで作られているのか
- 海洋汚染が少ない土地で作られているのか
- 土壌汚染が少ない土地で作られているのか
- 森林破壊を促進するものが含まれているか
などなど。
本当に重要なのは内容ではなく安全性や環境配慮だと私は思うのです。
鶏が食べるものもやがて土となり自然に還ります。
配慮がされている飼料でなければ、飼料を生産する過程で環境に負荷をかけ、鶏肉や卵を食べた私たちの体にも負荷をかけることになります。
また、養鶏場から出る大量の鶏糞は、加工されて販売もされています。
その土から再び野菜が育てられ、また循環をしてゆくのです。
鶏肉や卵に限らずですが、食べ物ができるまでには同時に色々なことが起こっていて、その積み重ねが環境にも影響を及ぼしています。
次は、体と環境に優しい、平飼い卵とオーガニック卵について
2へ続きます。
最低でも平飼い卵
飼料に拘ったものは高値で買えないという人も多いかと思いますが、一般的な平飼い卵であれば最近は種類が豊富なので購入しやすいです。
以前は普通の卵しかなかったですが、市場は確実に変化してきています。
↓以下に一部ををまとめてみたいと思います
↑ 現在は、赤い色のパッケージになっています。
説明文も変わっていました。
アマタケ 生がおいしい南部どりたまご
【産地】 岩手県
【飼育方法】
- ウインドウレス鶏舎
- ニップル給水方式
- 全飼育期間中、抗生物質や合成抗菌剤を使わずに飼育
- フロアヒーティングなどにより、一定の温度や湿度をコントロールするプログラムを開発
- 鶏糞ボイラーにより暖房等へエネルギーを再利用
【飼料】
椎茸や米麹、納豆菌、ハーブエキス、乳酸菌、酵母、ポリフェノール、オリゴ糖、アスタキサンチン、カロテンを含む和漢の草葉、数百年前の地層から産出される古代海洋性ミネラルを加えたオリジナル飼料
【税込参考価格】
- KINOKUNIYA 6個入 259円
- KITAMURA 10個入 357円
【企業HP】
https://www.amatake.co.jp/nanbudori-egg/
茨城県桜川市 平飼卵
【産地】
株式会社アグリテクノ桜川農場(茨城県)
【飼育方法】
- 光と風がはいるセミウインドレス鶏舎
- 多段式平飼い鶏舎(エイビアリー方式)
【飼料】
主原料となるとうもろこし、大豆粕は非遺伝子組み換え(NON-GMO)
【価格】
コープデリeフレンズ 298円(税抜)
【商品ページ】
LIFE NATURAL やさしい平飼いたまご
【産地】
株式会社アグリテクノ桜川農場(茨城県)
【飼育方法】
- 光と風がはいるセミウインドレス鶏舎
- 多段式平飼い鶏舎(エイビアリー方式)
【飼料】
主原料となるとうもろこし、大豆粕は非遺伝子組み換え(NON-GMO)
【価格】
ライフ 298円(税抜)
【商品ページ】
https://www.jz-tamago.co.jp/life/hiragai/
※パッケージデザインと商品ページ以外は、コープデリで販売されている茨城県桜川市の平飼卵と同じです
環境負荷が非常に少ない安全性の高い卵
黒富士農場 リアルオーガニック卵(有機JAS取得)
【産地】
山梨県甲斐市 標高1100mの山懐 夏でも非常に涼しく、過ごしやすい環境
【飼育方法】
平飼い放牧
鶏の食べるもの、飲むもの、暮らす場所、全てにおいて厳しい基準有
【飼料】
飼料の主原料であるトウモロコシ・大豆粕は遺伝子組換え種子を用いた飼料は未使用
発酵飼料には、おからと米ぬかを主原料に使用。その他、天然の湧き水、海藻粉末・アオサ・魚粉・かき殻・竹粉・ニンニク・オリゴ糖など
【価格】
- コープデリ eフレンズ 6個 698円(税抜)
- 黒富士農場ネットショップ 18個 3,035円(税込代引き価格)
【商品ページ】
黒富士農場ホームページ http://www.kurofuji.com/item/organic/
農林水産省 特集ページ https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1311/spe1_04.html
コープデリ 特集ページ https://hitotokototo.coopdeli.jp/contents_101/
商品ページ こちらより確認可
最近はインターネットでも有機卵が購入しやすくなっています。
以下は一例です。
(より良いものがあれば、今後も随時更新予定)
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どれを選ぶかで市場や環境は確実に変化していきます
皆さんは、普段どんな卵を購入していますか?
以前は無かった平飼い卵も、消費者のニーズに合わせるように商品が着実に増えてきています。
今は高価で買いにくい卵も、飼料生産技術の進歩や養鶏管理システムなどの進歩により、買いやすくなる日が来ると私は考えています。
今ある現状と問題点について、賛否両論あるかと思いますが、
考えるきっかけになったり、
少しでも何か伝わるものがあれば、幸いです。
↓ 卵について、もっと知りたい人はこちらの記事も是非読んで下さい。
2021.9,28
リアルオーガニック卵の画像を追加更新しました
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